ドライアイとは
ドライアイとは、涙の分泌量が減少、あるいはその量が充分でも質が伴わないことで、目を潤すことができずに角膜や結膜などの目の表面が傷つき、それによる症状がいろいろ出ている状態のことです。具体的には、目の中が乾燥している感覚やゴロゴロした異物感がある、疲れ目、充血などです。なおドライアイには、涙の分泌量が減少するタイプと涙の蒸発が亢進するタイプの2つがあります。
涙の分泌量が減少するタイプでは、シェーグレン症候群などの自己免疫性疾患やスティーブンス・ジョンソン症候群などの病気を発症している可能性が考えられます。もうひとつの涙の蒸発が亢進するタイプは、PCやスマートフォンなどの液晶モニタを長時間見続けながらの作業(VDT作業)による目の酷使やコンタクトレンズの長時間装用、エアコンが効いている部屋など乾燥した環境にいる場合、マイボーム腺機能不全にある方などによくみられるので、後者のタイプがよく見られます。
検査について
ドライアイが疑われる場合、以下の検査を行うなどして診断をつけます。
- 生体染色検査
- 特殊な組織で目の表面を染色し、細隙灯顕微鏡を用いて角膜や結膜に傷などがないかを調べます。
- シルマー試験
- 目盛りのついた試験紙を下まぶたに挟んで、涙の分泌量を調べます。濡れる長さが10mm以上であれば正常、5mm以下はドライアイが考えられます。
- 涙液層破壊時間(BUT:BreakUp Time)検査
- 瞬きをせずに目を開けたままの状態で、涙の層がどのくらいの時間で壊れるかを、細隙灯顕微鏡を用いて観察・測定します。
治療について
ドライアイとの診断を受けたら治療が行われますが、主に点眼治療、涙点プラグによる治療が行われます。
点眼治療
目の乾燥を防ぐ、潤いを与えるといったことから、人工涙液やヒアルロン酸を含んだ点眼薬、ムチンや水分の分泌を促進する点眼薬などを用います。患者様の症状によっては複数用いることもあります。
涙点プラグ
点眼薬の治療のみでは改善しない場合に行われます。これは、上下のまぶたの鼻側にそれぞれ1つずつある涙の排出口、いわゆる涙点に栓(プラグ)を差し込んで目に涙を溜めることで治療をするという方法になります。